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2025/09/18
大正大学不当解雇撤回
日本社会教育学会への倫理相談拒絶に関する公開質問状
大正大学不当解雇事件と社養協不当除名事件にかかわる倫理相談を拒絶した日本社会教育学会に対して以下の公開質問状を送付しました。
2025年9月18日
日本社会教育学会 会長 殿
日本社会教育学会による倫理相談の拒絶に関する
公開質問状
拝啓 貴職におかれましてはご清祥のことと存じます。
さて、私たち労働組合東京ユニオンは、社会教育研究者および実践者が安全かつ公正な環境で研究・教育活動に従事できることを強く求める立場から、当組合員の研究者(以下、当該研究者)に対する貴学会の倫理委員会における対応について公開で質問を申し上げます。
1.事案の経緯
当該研究者は、全国社会教育職員養成研究連絡協議会(社養協)において、幹部らが虚偽の「男女問題」を捏造し、それを主要な理由として不当除名処分を受けました。この処分は、研究補助者女性に対しても深刻な人権侵害をもたらしました。
当該研究者と補助者は一貫して事実を否定しており、弁明の機会も与えられていません。
この「男女問題」捏造等のセクシャルハラスメント事案について、当該研究者は、社養協の幹部や関係者の多くが所属する日本社会教育学会の倫理委員会に、正式な手続きに則って相談を申し込みました。しかし、規程に定められた複数委員による面談や審議は行われず、会長と倫理委員長のみがオンラインで「聴取」を行い、事実上の門前払いを行いました。
この対応は、学会が自ら定めた研究倫理規程を逸脱し、研究者の権利救済を妨げるものであり、重大な規程違反に該当する疑いがあります。しかも社養協の幹部関係者は当時、貴学会の副会長や理事の職にありました。そのため、この対応には重大な利益相反の疑いが生じています。
その後、社養協による不当除名は当該研究者の所属大学(大正大学)に通報され、大学はこれを理由に解雇調査を実施し、最終的に当該研究者は不当解雇に至っています。
2.学会の責任に関する確認
貴学会は2025年9月13日総会における「三役見解」において、「学会員が学会外で被った被害については調査権限がなく、対応に問題はない」「社養協は別組織であるため関与できない」と述べています。
しかし、貴学会の「倫理宣言」および「倫理委員会規程」「細則」には、以下の責務が明記されています。
・学会員の差別・ハラスメントに関する相談を受け付けること(規程第5条)
・相談は学会員以外からも受け付けること(規程第5条)
・面談は3名の委員によって行うこと(細則2(2))
・二次被害防止や環境改善に取り組むこと(規程第5条)
・「人間の尊厳と基本的人権の尊重」を学会活動の基盤とすること(倫理宣言)
したがって、今回の対応は規程や細則、宣言と整合しない不当対応であり、組織的説明責任が問われます。
社養協の「不当除名」は、虚偽の「男女問題」を口実とした社会的排除であり、その後の大学での不当解雇に直結しました。社養協の役員と日本社会教育学会の役員・委員の間には人的重複も存在し、両者が学術界で相互に影響力を行使している実態があります。この関係性に照らせば、学会が当該研究者の相談を門前払いしたことは、社養協による不当除名を追認し、当該研究者ならびに研究補助者女性の人権侵害を助長したと評価せざるを得ません。
学術団体は、研究者の権利と学問の自由を守る社会的責務を負っています。それにもかかわらず、学会が倫理相談を拒絶し、社養協の行為に沈黙したことは、倫理的責任の放棄であり、学術界全体の信頼を損なうものです。
3.公開での質問
以上を踏まえ、以下について回答を求めます。
①倫理委員会規程・細則で定められた複数委員による面談や審議を行わず、会長・委員長のみで対応したのはなぜか。規程違反ではないか。
②社養協幹部と学会執行部(副会長・理事)が重複していた状況で、公正な判断が可能だったのか。利益相反への配慮はどのように行われたのか。
③倫理宣言がうたう「人間の尊厳・基本的人権の尊重」との整合性をどのように説明するのか。
④今後、同様の相談があった場合に、再び「学会外のこと」として退けるのか。それとも規程に則って複数委員による正式対応を行うのか。
⑤本件における被害者(研究者・補助者女性)に対し、二次被害防止および名誉回復のために貴学会は何らかの措置を講じる意思があるか。
4.回答期限
本質問状への回答を、2025年10月31日までに文書で公開いただくよう求めます。回答が得られない場合、私たちはこの問題を広く学術界・教育関係団体・社会に訴えていく所存です。
敬具
大正大学の不当解雇撤回を支援する会・労働組合東京ユニオン
執行委員長 関根 秀一郎
東京都新宿区四谷4-28-14 パレ・ウルー5階
電話 03-6709-8954
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