大正大学不当解雇事件にかかわる社養協不当除名事件に関して、ユニオンより2025年8月18日付公開質問状を送付したところ、社養協より9月9日付「見解」とする回答がありました（本記事末に添付）。しかしその内容が極めて不十分なものであったため、以下の再公開質問状を送付しました。

2025年9月18日

全国社会教育職員養成研究連絡協議会（社養協）
代表理事　井上大樹 殿

公開質問状に対する「見解」についての再公開質問状

拝啓　

貴殿におかれましてはご清祥のことと存じます。

さて、当ユニオンは、2025年8月18日付公開質問状に対する貴会の「見解」（同年9月9日付、ウェブ公開）を拝見しました。しかしながら、同見解には不明確・抽象的な点が多く、当ユニオンの問題意識に対して十分な回答をいただけていないと判断せざるを得ません。つきましては、下記の通り再度質問を申し入れます。

記

１．除名手続の具体的根拠

貴見解において「適正な手続に則って行った」と記されていますが、以下の基本事項が一切明示されておりません。

・除名を議決した会議の日付・出席者・議決方法

・除名理由と適用規程

再質問
(1) 除名手続の会議議事録、決定理由、根拠規程を開示してください。
(2) 「本人への通知以上は開示できない」とする法的根拠を明示してください。

２．「事実誤認や誤解」の具体的内容

貴見解は「事実誤認や誤解が複数存在する」と述べていますが、具体例として示されたのは「大正大学解雇への不関与」「研究会は中止でなく形態変更」の二点に限られています。

再質問
(3) これら以外に、当ユニオンの質問状のどの部分を「事実誤認」または「誤解」と判断したのか、具体的に明示してください。

３．大正大学解雇との関与

「当会は大正大学の解雇に関与していない」と記されていますが、関与の有無を明確にする必要があります。

再質問
(4) ここで言う「関与していない」とは、①解雇理由形成過程に情報提供や意見具申を一切行っていない、②大学関係者への通報・接触を一切行っていない、の双方を含むのか、ご回答ください。

４．研究会の「中止」について

貴見解には、「2025年度第1回定例研究会については「中止」ではなく、会場の関係から対面参加者に対し録画の視聴に参加形態を「切り替え」て実施しております」と記されていますが、貴会事務局からの出席予定者への連絡メール文面には明確に「中止」と記載されています。

再質問
(5)出席予定者に「中止」と連絡しておきながら、見解では「切り替え」としている齟齬について、詳細にご説明ください。

５.　会員への説明責任

貴見解では「処分は適正であり、会員に迷惑をかける事情は一切ない」と断言しています。しかしながら、同文書中で「会員の不安や心配の声が寄せられている」とも記されています。

再質問
(6) 除名処分の経緯を開示せずに「迷惑は一切ない」と断定することは、説明責任を尽くしているといえるのか。会員への説明責任をどのように果たすのか、具体的にお答えください。

６．弁護士確認の範囲

貴見解では「弁護士に相談し、法的に瑕疵がないことを確認している」とされていますが、その確認範囲が不明確です。

再質問
(7) 弁護士による確認が、単なる形式的手続の適合性に関するものか、それとも処分の実体的合理性を含むものか、確認範囲を明示してください。

結語

以上の再質問を含めて、あらためて2025年8月18日付公開質問状の質問項目につきまして、2025年10月31日までに文書にて、誠実にご回答いただくよう要請いたします。
当組合としては、学術団体における処分が研究者個人の職業的基盤や学問活動、さらにはその研究協力者にまでも深刻な影響を及ぼしていることを重視しており、抽象的な言明ではなく、具体的事実に基づく説明を強く求めるものです。

敬具

大正大学の不当解雇撤回を支援する会・労働組合東京ユニオン

執行委員長　関根 秀一郎

東京都新宿区四谷4-28-14　パレ・ウルー5階

電話　03-6709-8954