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2025/08/20
大正大学不当解雇撤回
大正大学不当解雇事件にかかわる社養協へ公開質問状を送付しました
大正大学不当解雇事件の発端として、解雇された当該教員が、かつて所属していた全国社会教育職員養成研究連絡協議会(社養協)を除名されたことが挙げられています。しかしこの除名は、手続き的にも内容的にも極めて不当なものでした。このため、社養協への公開質問状を送付しました。
2025年8月18日
全国社会教育職員養成研究連絡協議会(社養協) 御中
社養協の不当除名事件に関する公開質問状
-研究者の不当排除、研究妨害、女性蔑視のハラスメント問題について-
私たち大正大学の不当解雇撤回を支援する会・労働組合東京ユニオンは、貴協議会による、大正大学を不当解雇された教員(以下、当該教員)に対する除名措置、および、それに伴う不当な社会的信用の毀損行為について、強く懸念を表明し、以下の質問に対して文書での明確なご回答を求めます。
【背景と問題の所在】
当該教員に対して、何ら釈明や異議申し立ての機会も与えずに除名処分を下し(処分時代表理事:平井康章氏、事務局長:倉持伸江氏)、かつその処分結果を大正大学及び新潟青陵大学短期大学部に通報したことにより(通報時代表理事:村田晶子氏)、当該教員の大学での解雇調査が誘発されるという重大な人権侵害が生じています。
除名処分の理由とした当該教員(男性)と研究補助者(女性)との男女問題の根拠とされた宿泊領収書の件は、協議会側から適切な修正・再提出の機会を与えられませんでした。また、研究補助者女性も男女問題について明確に否定しているにもかかわらず、その証言をさせないまま一方的な判断で事実認定を進めました。これらは、深刻な女性蔑視のセクシャルハラスメントを含んだ著しく手続き的正義を欠いたものであると認められます。
さらに、除名の発端となった領収書の指摘を行った監事(当時監事:茅野英一氏)は、その指摘直後に一方的に辞任しており、その後任監事(処分時監事:入江直子氏)も指摘の根拠となる問題点を一切示さないまま「第三者委員会」調査を求めるなど、その信頼性・中立性に重大な疑義が残っています。
にもかかわらず、本件に関する当ユニオン組合員(岡山茂早稲田大学名誉教授・日仏教育学会会長)の問い合わせに対して、貴協議会(現在代表理事:井上大樹氏、事務局長:杉山晋平氏)は一切の回答を拒否しており、当該処分が大学や社会に与えた深刻な影響について無責任な姿勢をとっていると言わざるを得ません。
以上を踏まえ、私たちは以下の質問項目を提示し、協議会としての見解・責任の所在・今後の対応について、社会的倫理とガバナンスの観点から、誠実に説明されることを強く求めます。
【質問項目】
1.除名処分の決定に至る議論の経過(日時・出席者・決定方法)を全て明示してください。特に当該教員と研究補助者に対して、当人らや宿泊施設が反証をしているにもかかわらず、研究地での同部屋宿泊などの男女問題があると受け取られる事実認定をした経緯は、貴協議会による当該教員や研究補助者に対するセクシャルハラスメント行為であり、深刻な倫理的問題だと考えられるため、明確な説明を求めます。
2.当該教員に対し、除名前に理事会や総会で釈明や説明の機会を与えなかった理由、および除名後の異議申し立てを受理しなかった理由を明確に説明してください。
3.同部屋宿泊と断定した具体的根拠、および当該教員が再提出した領収書を受理しなかった理由を開示してください。
4.監事(茅野英一氏)による男女問題の指摘後、当該監事が即日辞任した事実について、及び、その監事および後任監事(入江直子氏)が関係団体において会計不正や団体運営の法令違反を容認していたことを当該教員(当時貴協議会理事)が指摘したにもかかわらず放置し続けた経緯について、把握していることを説明すること。
5.除名結果を大正大学と新潟青陵大学短期大学部に通報した目的・経緯・文書内容を示してください。協議会は何を根拠に、当該大学に連絡を取ったのか、正当性を説明してください。
6.除名通知を受けた大学が、これを解雇調査の契機としたことについて、協議会としての責任認識と見解を示してください。
7.当該教員及び研究補助者は現在も、地域・研究・教育分野で広く活動しており、誹謗中傷の被害に晒されています。協議会として、除名処分等により引き起こされたこの事態について、どのように受け止めているのか、処分の再検討や名誉回復措置を講じる意思があるのか、明示してください。
8.2025年7月26日に予定されていた貴協議会の研究会講師として、解雇された当該教員の後任教員(牧野篤氏)が招聘されたこと、および、その研究会に当該教員や当ユニオン組合員が正規に参加申し込みを行ったにもかかわらず、当日に理由さえ示さず急遽中止されたことは、著しく不自然であり、学術的中立性と言論の自由を損なう行為ではないかと強く疑念を抱いています。
この中止決定は、
- 誰が、
- どのような理由で、
- どのような手続きで行ったのか、
について、すべて明らかにしてください。
【補足声明】
研究者が公的な場で自由に議論し、立場の違いや過去の経緯を超えて知を交換することは、学術団体にとっての根本的使命であるはずです。
にもかかわらず、特定個人の存在を「排除の理由」として研究会を直前に中止したとすれば、協議会の自律性と学術倫理に対する根本的な信頼を揺るがすものです。
この件は、単なる技術的な運営判断では済まされません。
協議会としての倫理的自覚と説明責任を果たすことを強く求めます。
【最後に】
当該問題は、単なる団体内処分を超えて、一人の研究者やその協力者の職業生命と人格権に直結する重大な人権侵害であり、また、とりわけ我が国の民主教育の基盤として期待される社会教育にかかわる貴協議会としての説明責任は免れません。
本公開質問状に対して、2025年9月19日を限度として、書面でご回答いただきますようお願いいたします。
また、本公開質問状にかかわる事案については、日本社会教育学会をはじめとする関係諸団体・報道機関・研究者コミュニティ等に対しても周知していく所存です。
私たちは、真に公正で開かれた研究環境を求め、行動を継続します。
大正大学の不当解雇撤回を支援する会・労働組合東京ユニオン
執行委員長 関根秀一郎
〒160-0004 東京都新宿区四谷4-28-14 パレ・ウルー5階
電話03-6709-8954
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