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2025/08/20
大正大学不当解雇撤回
大正大学を運営する宗門への再度の公開質問状を送付しました
不当解雇事件を起こしている大正大学を運営する宗門の内、浄土宗、天台宗、真言宗豊山派、真言宗智山派から、公開質問状への回答が8月5日付でありました(本記事末に掲載)。しかし確認・再考を要する点が多々あるため、以下の通り、再質問状を送付しました。
なお、時宗からは期限内で回答をいただけていないため、引き続き回答を要請しています。
再公開質問状の送付について
貴宗門からのご回答において、設立者ではある者の設置者でないことを理由に大正大学の運営への関与・介入を否定されておりますが、貴宗が大学理事を推薦・派遣し、宗門の名において大学の運営に深く関与していることは、社会的事実であります。
法的責任の所在とは別に、仏教的倫理、そして教育機関としての公益性に照らして、貴宗が本件において沈黙し続けることが、どのような社会的影響を持つか、ご熟慮いただくよう再度要望いたします。再質問状をお送りします。
なお、我々は今後、宗門の信者、檀家、外部関係者に対しても、本学で起きている問題の全容と、宗門の現在の対応について、丁寧に説明を進めてまいります。
2025年8月18日
大正大学の不当解雇撤回を支援する会・労働組合東京ユニオン
執行委員長 関根秀一郎
東京都新宿区四谷4-28-14 パレ・ウルー5階
電話 03-6709-8954
2025年8月18日
学校法人 大正大学を運営する各宗門
浄土宗 宗務庁
天台宗 宗務庁
真言宗豊山派 宗務所 御中
真言宗智山派 宗務庁
仏教的倫理に基づく大学運営に関する再公開質問状
貴宗におかれましては、平素より教育・学術の発展にご尽力いただき、心より敬意を表します。
さて、2025年7月15日付で当ユニオンより送付いたしました「仏教的倫理に基づく大学運営に関する公開質問状」に対し、2025年8月5日付にてご回答を賜りましたこと、感謝申し上げます。
しかしながら、ご回答の内容については、以下の通り、いくつか確認・再考を要する点があると考えております。
【確認事項と再質問】
1.貴宗の大学運営への実質的関与について
ご回答にて、「宗派は設置者ではなく、学校法人が設置者である」との法的整理を提示されておりますが、貴宗は当該大学の設立母体として理事推薦、学長候補人事への関与、宗門系施設の提供・支援など、実質的に大学運営に関与し続けていると認識しております。
当ユニオンで把握している大正大学の主要役員の氏名や所属宗門・寺院等は次の通りであり、当該役員は、今回の不当解雇事件を主導しています。
理事長 |
柏木 正博 |
浄土宗 円覚寺 住職 |
理事(学長) |
神達 知純 |
天台宗 華徳院 住職 |
専務理事・業務執行理事 |
平盛 聖樹 |
真言宗豊山派 圓福寺 真言宗豊山派 醫王寺 |
常任理事・業務執行理事 |
山川 弘巳 |
真言宗智山派 圓應寺 住職 |
常任理事 |
塩入 法道 |
天台宗 信濃国分寺 住職 |
常任理事 |
小嶋 知善 |
浄土宗教学院理事 |
理事・理事長相談役 |
星野 英紀 |
真言宗豊山派 福蔵院 住職 |
また、大正大学公式サイトにおいても「大正大学は複数の仏教宗派によって運営されている」と明記されています。(https://www.tais.ac.jp/faculty/department/buddhist_denominational , 2025/8/18閲覧)
以上を踏まえて、次の確認と質問をします。
- 【質問1】貴宗は、大学理事への宗門関係者の推薦・任命について、いかなるガイドラインとプロセスで行っているか、開示をお願い申し上げます。
- 【質問2】大学における仏教関連教育・施設運営(例:講堂、講座、行事等)に対して、貴宗がどのように関与しているか、ご説明ください。
2.道義的責任および仏教的倫理との整合性
ご回答では「人事案件には関与できない」とのご趣旨が記されておりますが、本件は単なる個別の人事ではなく、教育者及び関係者に対する不当な手続き・差別・ハラスメントといった、仏教的倫理の根本と矛盾する深刻な人権問題であると認識しております。
- 【質問3】貴宗は、設立した大学において仏教的倫理・人権意識に反する行為があった場合でも、完全に不介入を貫かれるお考えでしょうか。
- 【質問4】今後、設立母体として、大学に対し仏教的価値観に基づく倫理的なガイドラインの策定・運用等を推奨するお考えはございますか。
3.宗門と社会的信用について
当該大学における問題はすでに社会的に広く報道され、貴宗の名も関与しているものとして言及されております。これは、貴宗の信者・檀信徒・宗門教育機関等に対しても無関係ではない社会的影響を及ぼすものと考えます。
- 【質問5】本件の大学運営の問題について、貴宗として内部的なモニタリング、ヒアリング、または再発防止策を検討されている事実があれば、差し支えない範囲でご教示願います。
- 【質問6】以上5質問項目へのご回答の上、7月15日付公開質問状「仏教的倫理に基づく大学運営に関する公開質問状-不当解雇、教育研究妨害、女性蔑視の人権侵害、地域活動の抑圧の事件について-」記載の質問事項へのご回答を、改めてお願いいたします。
【結語】
私たちは、本件を通じて大学の自治を侵すものではなく、むしろ仏教的倫理と社会的責任に照らした「公共的な教育機関」としての健全性を守る対話を求めております。
今後とも、仏教の慈悲と人権尊重の精神に基づいた対応を切に願い、改めて誠実なご回答をお願い申し上げます。
大正大学の不当解雇撤回を支援する会・労働組合東京ユニオン
執行委員長 関根秀一郎
東京都新宿区四谷4-28-14 パレ・ウルー5階
電話 03-6709-8954
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