第2回「雇用を守る震災ホットライン」報告
2011年4月30日・5月1日/全国ユニオン主催
震災理由なら何でもまかり通ってしまう風潮が蔓延
雇用に与える原発の影響が拡大
●今回の相談件数は、全国で66件でした。周知不足のため、相談件数は少なめでした。
●「解雇・派遣切り」の相談が増加し、「休業・自宅待機」の相談を上回りました。休業で様子をみていた企業が解雇・派遣切りに転じている様子がうかがわれます。
●「風評被害により事業所を閉鎖」「就労先が避難地域にあるため仕事再開のめどが立たない」「雇用保険を遡及加入したいが、給与明細は避難区域内の自宅にある」など、原発が雇用に及ぼす影響が増大しています。
●被災地から遠く離れた九州(大分)でも、無給の自宅待機で労働基準監督署に相談に行ったところ、「天災だからどうしようもない」と言われてしまったという相談も寄せられました。震災理由なら何でもまかり通ってしまうような風潮が蔓延しています。
- 相談内容の集計結果(項目別)-
相談内訳(複数分類)※66人/75項目
相談内容 | 件数 |
解雇・派遣切り | 29 |
休業・自宅待機 | 24 |
労働時間短縮 | 4 |
その他・不明 | 18 |
総項目数 | 75 |
性別
男性 | 31 |
女性 | 34 |
不明 | 1 |
合計 | 66 |
年代別
10代 | 0 |
20代 | 3 |
30代 | 5 |
40代 | 11 |
50代 | 6 |
60代 | 4 |
不明 | 37 |
合計 | 66 |
雇用形態別
派遣 (注1) | 31 |
正社員 | 14 |
パート・アルバイト | 10 |
契約社員 | 6 |
その他 | 5 |
合計 | 66 |
(注1)派遣の内訳
事務(うち政令指定業務) | 1 |
事務(政令指定業務を除く) | 15 |
製造 | 7 |
その他 | 2 |
不明 | 6 |
合計 | 31 |
都道府県別
都道府県 | 件数 | 地方 | 件数 |
北海道 | 0 | 北海道 | 0 |
青森県 | 0 | 東北地方 | 12 |
岩手県 | 0 | ||
宮城県 | 1 | ||
秋田県 | 0 | ||
山形県 | 0 | ||
福島県 | 11 | ||
茨城県 | 1 | 関東地方 | 39 |
栃木県 | 2 | ||
群馬県 | 2 | ||
埼玉県 | 3 | ||
千葉県 | 8 | ||
東京都 | 16 | ||
神奈川県 | 7 | ||
新潟県 | 0 | 北陸地方 | 0 |
富山県 | 0 | ||
石川県 | 0 | ||
福井県 | 0 | ||
山梨県 | 0 | 甲信地方 | 0 |
長野県 | 0 | ||
岐阜県 | 0 | 東海地方 | 4 |
静岡県 | 1 | ||
愛知県 | 2 | ||
三重県 | 1 | ||
滋賀県 | 1 | 近畿地方 | 2 |
京都府 | 0 | ||
大阪府 | 1 | ||
兵庫県 | 0 | ||
奈良県 | 0 | ||
和歌山県 | 0 | ||
鳥取県 | 0 | 中国地方 | 0 |
島根県 | 0 | ||
岡山県 | 0 | ||
広島県 | 0 | ||
山口県 | 0 | ||
徳島県 | 0 | 四国地方 | 0 |
香川県 | 0 | ||
愛媛県 | 0 | ||
高知県 | 0 | ||
福岡県 | 0 | 九州地方 | 4 |
佐賀県 | 0 | ||
長崎県 | 0 | ||
熊本県 | 0 | ||
大分県 | 4 | ||
宮崎県 | 0 | ||
鹿児島県 | 0 | ||
沖縄県 | 0 |
職種別
職種 | 件数 |
製造 | 12 |
事務 | 12 |
旅館・式場・飲食店 | 8 |
販売 | 6 |
デザイナー | 3 |
コールセンター | 2 |
営業 | 2 |
運輸・ドライバー | 2 |
娯楽 | 2 |
IT | 1 |
受付・イベント | 1 |
公務非正規 | 1 |
建設 | 1 |
その他・不明 | 13 |
合計 | 66 |
雇用を守る震災ホットラインの概要
●主催 全国ユニオン
●日時 4月30日(土)・5月1日(日)10:00〜20:00
●各地の窓口
首都圏(代表) 050-5808-9835
愛知/名古屋ふれあいユニオン 052-679-3079
岡山/女性・地域ユニオンおかやま 086-225-2023
大分/大分ふれあいユニオン 097-551-7554
解雇・派遣切り相談
【相談事例1】福島・50代・女性・派遣・販売
3月末まで契約期間があったが、震災直後に解雇。予告手当などはなし。派遣会社(本社・仙台)は手続き済みと言っているが、雇用保険の受給に必要な書類が来ない。
【相談事例2】福島・男性・派遣・製造
原発から30キロ以上離れたところに工場があるが、風評被害により閉鎖。派遣50人が解雇された。
【相談事例3】福島・男性・派遣・港湾
津波で会社や設備が使えなくなり仕事もなくなった。
【相談事例4】福島・40代・女性・事務
社屋が津波の被害を受けた。半年後には再開するので、雇用保険を受給してほしいと言われたが、このまま解雇になるのではないか不安。解雇になったら退職金はもらえるか。
【相談事例5】神奈川・女性・請負・製造
夜勤専門で働いていたが、仕事が少なくなり昼勤に変更になった。残業が増えて対応できなくなってきたため、会社にその旨を伝えたら退職を勧められた。
休業相談
【相談事例6】大分・30代・男性・派遣・製造
震災の影響ということで4月4日から自宅待機になり、何度も自宅待機が引き延ばされ、5月中旬まで伸びた。書面上の契約は3月末までになっていたが、4月1日から自動更新になっていた。休業期間中は「無給」と言われており、生活が不安。労働基準監督署に相談に行ったら「天災だから派遣会社の責任はないのでどうしようもない」と言われた。
【相談事例7】群馬・60代・女性・正社員・ホテル
ホテル旅館内の従業員食堂で働いていた。地震後、顧客減で休業。休業手当は支払われなかった。
【相談事例8】福島・男性・正社員・事務
就労先が原発の避難地域にあるため休業中。家族は避難させて、雇用保険をもらって自分だけ福島の自宅に残っているが、仕事のめどが立たない。
【相談事例9】福島・男性・正社員
自宅が原発の避難区域にあるため都内に避難。会社は緊急避難区域にあるため、近々、業務を再開するのでまた働いてほしいといっている。しかし、自宅から通えないし、家賃補助もないため働けない。
【相談事例10】栃木・男性・派遣
震災後休業が続いているが、休業手当は支給されていない。会社は、雇用調整助成金がもらえたら支給すると言っている。
雇用保険相談
【相談事例11】福島・50代・女性・アルバイト
原発の避難区域内に職場も自宅もある。雇用保険の遡及加入をしたいが、給与明細などは自宅に置いたまま。どうしたらいいか。
詳細のお問い合わせは・・・
全国ユニオン/震災ユニオン
渋谷区代々木4-29-4西新宿ミノシマビル2F 電話03-5371-8808(担当:関根)
⇒ 第2回「雇用を守る震災ホットライン」報告(PDF 164KB)